ポルテーラ2018
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"突然にあちらからこちらへ、そして「とつぜんに」こちらからあちらへ"
さあ皆の衆、お聞きあれ
その価値のある話ゆえ
おかけになって、お楽にし
御覧ください、誰が来て
誰が去って、どこを行く
終わるところに、始まるところ
どこから来たりて、どこへ向かう
さらに飛び出す驚愕の
事実の数々お見せしよう
これが嘘だと思うなら
さあグーグルでお調べを
よくよく読んで確認を
過去のこととはいうものの
記録がないでもないゆえに
それでは前に進みつつ
亡命にまつわるエトセトラ
住むところを変えること
逃げても、やむなく思い出す
遠く離れたふるさとを
不安な生活、移民者の
希望が浮かぶ水平線
ペルナンブーコよ、うるわしの
砂糖の富と人柄の
野心に燃えたオランダ人
我がもの顔で現れて
すべてを彼らの支配下に
開いた港は入口に
働き口を探す人の
ポルトガルから迫害の
ユダヤ人もたどり着く
逃れ逃れた、異端審問
自身の信仰さえも
守ることを禁じられ
すべてを後に残しつつ
ただおだやかに暮らすべく
流れ流れて幾星霜
ポルトガルが再占領
東北地方の件の地
情け容赦の是非もなく
追放、憂き目のユダヤ人
今度は三方ばらばらに
かの地を離れる運命に
一派は向かったオランダへ
明るい未来を夢に見て
別の一派はカリブへと
少し近場で運試し
残る一派は北米の
ニュー・アムステルダム植民地
−それが招いた命の危機
哀れなるかな、最後の一派
渡る海路の道すがら
非道の襲撃、的にされ
誰の仕業と思いきや
それがカリブの海賊船
払ってちょうだい、銀貨でも
ニコニコ決済、金貨でも
さらに重ねて幾星霜
新征服者は英国人
かの地の、そこにかねて住む
ユダヤ人とブラジル人
つれて土地の名前変え
今や世界で大人気
ニューヨークがまさにそれ
きっとそうだと思ったろう
それから随分あとのこと
フランスからの贈り物
届いた、自由の女神像
その台座に刻まれし
詩歌をそこに捧げしは
かのブラジルから渡り来し
移民の一派の末裔なり
美しきかな、かの碑文
女神像が語るがごとく
絶望し、悩み、逃げ迷う
亡命者たちに向かい
そして掲げし松明が
博愛善意で導くように
平和と自由に開かれし
うるわしき金の扉へ
(ホーザ・マガリャンィス)
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