マンゲイラ2014


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"ブラジルの祭典はマンゲイラのサンバにたどり着く"

心 置きなく祝祭を迎えるべく一年間を頑張り通すブラジル人民に祝福あれ。祈りにさえ喜びの表現をのせることを忘れない。人生を幻想にかえ、上手に苦しみを遠 ざけ、急がず、あわてず、警告の鍵を差し、そして日夜サンバに没頭する。世界中がこれを称え、目を見開いてこう言う。「こんなにも幸せな人々がいるところ は、他にはない。探すこともできない。」

ブラジル自体が終了時刻の定めがないパーティのようなものだ。本業が祝うことなのだ。大きな祭り、群衆。祭りのテレビ中継。さあ、マンゲイラに道を開けてくれ。祭典を始めようじゃないか。

ペ ロ・カミーニャがカブラウ一向の上陸を記した初めての書簡で述べたように、目の前の光景は祭りだった。この熱帯の地における最初の祭り。この日、バテリア の始祖であるタンボリウ(旧式のスネアドラム)の音が響く中で、ブラジルが少し目覚めた。新参者と原住民がともに集うこの宴会には、心を揺さぶる音楽の 中、踊りと、歌があった。これが、このカーニバルの国の礎石である。

この様子を正確に伝える資料はないが、相当などんちゃん騒ぎであったことは想像に難くない。夜祭が最高潮に達し、カブラウがダブロン金貨を放り出して、主役として踊り、バトゥカーダの指揮をとる。

原 住民の習慣では、列をなして踊る。ひとりひとり並ぶが、お互いに触れ合うことはない。しかし、ヂオーゴと彼が指揮する打楽器奏者たちがこの寂しいやり方を 終わらせる。遠慮の壁を越え、インディオをダンスに誘い、その手を握る。この単純な行為から、一気に、友好的なつながりが生み出された。こうして月明かり が照らす森の中の祭りは夜明けまで賑やかに続いた。この地、真の十字の大地に恵みあれ。踊り、歌い、月に見守られ、その光を浴びるべく生まれんことを。

し かし、その後すぐに、白人は欧州から持ち込んだりでっちあげたりした自分たちのやり方を押し付けた。巡礼の列に従うとき、悲しい歌と祈りだけが可能で、喜 びについては考えることさえできなかった。重苦しい王国を中世の闇が支配していた。リブレー(ハイカラー・ジャケット)を着た騎士とジャエス(ロバの飾 り)をつけた従者。ただ、歴史的なこの光景は、わが人民にとって幸せなことに、長くは続かなかった。黒人奴隷は、その歌に合わせて、記憶の中にあるすべて の魅力をもたらした。部族の強いルーツに由来するアフリカの文化が、帝国の系譜との対立項となった。

コンゴに於いてそうだったように、 ヴィラ・ヒカで承認されて、シコ・ヘイが戴冠する。今日、歌や舞台で讃えられるコンガードは、こうして生まれた。人々は熱狂する。片手はロザリオに、もう 一方は導きに、生活は改善する。習合的宗教に帰依し、神秘性は失わず、キリスト教の聖者とオリシャーが合わさる。

習合信仰は、ロウソク好 きというブラジルの習慣と密接な関係にある。どんな信仰でもロウソクを用い、それが全て美しい!集まりの場で、祈りの場で、伝統に従って、2月2日には小 舟の行列もある。バイーアで、この日、朝早く、称えられる女王はジャナイーナだ。人々は(キリスト教の)聖女に祈りつつ、一方で、イエマンジャーを称えて 海に捧げものを流す。もはやこのように、人々のDNAに刻まれているのだ。

北から南まで、常に隣り合って存在する祭。ボイの祭とコンガード、聖者の祭とシャシャード。人々は決まり文句を繰り返す。晴れようと雨が降ろうと、南部にはブドウ祭がある。素晴らしきかな、大型連休!

北 東部のサンジョアン祭は多くの人を惹きつける。夜空を彩る星々と風船。ペアダンスを踊る娘。やがて聖アントニオの宣言により、本当の新郎が指名される。カ ンピーナ・グランヂ、カルアルー、モソロー、アラカジュー、そして忘れてはならない古き伝統を受け継ぐアッスー。タピオカとアホース・ドースィ。その脇で は打ち上げ花火。ケンタォンの屋台。これらが夜通し続く。

どこもかしこも、マトラカ、ザブンバ、そしてボイ。ペルナンブーコからマラニャォンにいたるまで、ボイは重要視されている。カチリーナがタンを食べて騒ぎを起こすが、ボイがこれをおさめて祝祭へと繋ぐ。

こうした大衆文化の光は密林の奥までも照らし出す。パリンチンスは、信じざるを得ないこの世の奇跡だ。森に住む芸術家が、街を二分する創造的なボイの祭を作り上げる。こなたガランチード。かたやカプリショーゾ。宿命の対決である。

愛、そしてユーモアにあふれた魂をもち、自然な魅力を振りまいて、私のカーニバル虹を描きながら、「彼女」がやってくる。欠かすわけにはいかない、とわかっている。だから招いたのだ。パラーダ・ゲイのオネエたちというスパイスを。

脈が速くなり、今日は熱狂で死んでしまうかもしれない。私は幸せをまき散らす。多様性ばんざい!

やがて年が終わるとき、白人の集団は記念すべき夜明けに向けて騒ぐ。年越しが過ぎれば、もういくつ寝るとカーニバル、ということになる。

世界中で、リオデジャネイロのカーニバルに比ぶるべきものなどない。群衆が道を見たす。彼らの道を。そして昔ながらのカーニバルを追体験する。今はなき、グランヂ・ソシエダーヂやコルソをしのびながら。

公道のカーニバル、そして、ボーラ・プレッタのコルダォンに栄光あれ!ブロッコに、そして、苦悩を蔑み、おしゃぶりを握る、飛び入り参加者に栄光あれ!

全てのエスコーラ、そして不滅のサンビスタたちに栄光あれ!ここに整えられた通り道にあるその王国は、終わることも消えることもない。ここサプカイに、この地上最大のショーがある限り続く。

ただひたすらに、永遠に、祭は続く。この街に絶えぬもの、それは喜びと愛!

用語

リブレー――中世の礼服
ジャエス――従者の髪飾り(ロバの意匠)
カチリーナ――妊娠した奴隷。聖なるボイのタンを食べようとし、それをきっかけとして、ボイの祭が始まる。

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